こんにちは。株式会社NF-Xの古賀一成です。2つ前の記事を書いている古賀智さんとは全く関係ありません。
佐賀には古賀が多いのです。
実は私、前職では車の整備をしていました。すごく畑違いな感じもしますが、実際やってみると車の整備と広告運用は意外と似てるなと感じるところも多く、楽しみながら仕事をしています。
今回のブログのタイトルもその時の名残ということで、温かい目で最後まで見ていただけると幸いです。
メンテナンスと言うと広告運用とは関係なさそうに聞こえるかもしれませんが、車で例えると定期的にお手入れしてあげることで、いつまでも安心して乗ることができます。逆にそのお手入れを怠るとエンジンやブレーキの故障につながり、最悪の場合、多くの人を巻き込む事故になる可能性、リスクが高まってしまいます。
広告アカウントも同じように、キャンペーン、広告グループ、キーワードは適時整頓したり、広告文に使える文字数や、記号の種類、広告表示オプションの見え方などの日々変化する仕様に柔軟に対応することで 広告効果を高めることが出来ます。そういったことを疎かにすると、アカウント内が煩雑になって、設定ミスのリスクが高まったり、広告が表示されてもユーザーの関心を得られず、表示される機会を失ってしまうかもしれません。
成果を高めるということは、基礎がしっかりしていて初めてできることだと考えていますので定期的にアカウントを見直すことはとても重要と言えます。そういったアカウントを見直すにあたって、考慮すべきものにGoogleの「hagakure」やYahoo!の「Core」といったプラットフォーム推奨のアカウント構造があります。
リスティング広告に詳しい方の中には、「hagakure」なんてもう古い、今は「Mugen」でしょ?という人も多いかも知れませんし、もちろん「hagakure」の構造が100%正解ではなく、運用者や様々な条件によって最適解が変化することもわかっています。
ただ「hagakure」の構造にすることで得られるメリットも多いので、これをベースに考えていきましょう。
「わかっちゃお~ばってんそがんとすっヒマんなかばい」、「今のままでん成果取れよっけんよかろうもん」※というそこのお父さんも今回の変更を機にアカウント構造を見直してみませんか?
まずは、以前に良いとされていたアカウント構造のおさらいです。
上の図のような形で、キャンペーンや広告グループは細かく分けた方が良いとされていて、キーワードごとにキャンペーン、広告グループを作りそれを手動で入札管理していました。
広告グループは掛け合わせる単語のジャンルごとや、マッチタイプごとに分けられており、広告グループの数は膨大になっていたので、結果キャンペーンの数も増える傾向にありました。
広告、ランディングページは複数の広告グループで共通のものが使われている感じです。上の図のどのキーワードで検索しても下の広告がでるイメージです。もちろん広告が同じなのでランディングページも共通です。
当時から自動入札の機能もありましたが、機械学習がまだ不成熟だったため十分な成果が期待できるレベルではありませんでした。そこで、グループを細かく分け、手動で地道な入札調整を行い成果をあげようという運用者の知恵だったのです。
それが、今やAIがプロ棋士に勝ってしまう時代です。
「アカウントはシンプルに作ってデータを広告グループに集約し機械学習が効果的に機能するようにしましょう!」という各プラットフォームの推奨が機械学習機能進化によって実現できるようになってきました。
配信地域や配信スケジュール、予算管理などの目的に応じて作成します。
むやみに数を増やすことは避けましょう。
理想としてはランディングページごとにグルーピングするイメージです。
工具の場合だと、ラチェットのグループとドライバーのグループのように工具ごとに分ける感じで、1つのランディングページに対して1つの広告グループがある状態を目指します。
ですが、ランディングページが同じでも次のような場合はグループを分けることもあります。
1.キーワードのジャンルが幅広く、広告を出し分けたい場合
今までの例えとはガラッと変わってしまいますが、サプリを販売しているクライアントで
「美容サプリ」のようなサプリ系のキーワードと「乾燥肌 改善」のような悩み系のキーワード
では表示させたい広告が全く違うので広告グループを分けます。
2.キーワードが登録数の上限に達した場合
(1広告グループに登録できるキーワード数、Yahoo!:2,000個・Google:20,000個)
運用者によってグルーピングのやり方は様々ですが、以前のようにマッチタイプや掛け合わせごとのグルーピングはオススメできません。
キーワードは広告を出すためのトリガーとなるものです。 商材に対するユーザーのニーズを正しく理解し、検索されるであろうワードを予測して設定する必要があります。
また一度設定して終わりではなく、各キーワードの日々の数値や、検索クエリを確認、精査して新規キーワードの追加、不要キーワードの停止や除外を随時行っていきましょう。
ただなんでもかんでも登録すると、キーワードが膨大になりすぎ運用負荷が増加しますので、「必要に応じて」実施していきましょう。
広告は当然ながら最新の仕様※で作り、頭を凝り固めず、柔軟な発想で様々な訴求の広告を入稿し、テストしていきましょう。
検索クエリによって反応する広告文が異なりますので、様々なクエリに対応できるように複数の訴求の広告文を入れることが良いでしょう。
ただしYahoo!に関しては、私個人の感覚ではありますが、5個以下で回したほうが結果が良くなるケースが多いです。
もちろん広告追加がダメというわけではなく、前述している通り、テストを行い成果のいいものを選抜していきましょう。
また、タイトル1・2・3の間には仕切り(|)が入るのでつなげる前提ではなく、それぞれ独立した文章にしたほうが良いと思います。その考え方でタイトル、説明文を作っておけばレスポンシブ検索広告(RSA)にも対応しやすくなります。
レスポンシブ検索広告の詳細はこちらの記事で紹介されていますので是非お読みください。
やむを得ず、続けて読ませる場合も見せ方や、広告3は表示されない場合もあるということを意識しましょう。
※広告文の仕様(2019年7月5日現在)
Yahoo!:タイトル1・2(半角30文字)説明文(半角80文字)
Google:タイトル1・2・3(半角30文字)説明文1・2(半角90文字)
また、広告文を考えるにあたり、広告表示のロジックを正しく理解することで、より効果的な広告を作ることができると考えています。皆さんは正しく理解できていますか?
実は私も勘違いしていましたが、検索クエリに最初に反応するのはキーワードではなく、広告文です。
その後にクエリに対して有効なキーワードがあるか、ランディングページとの関連性という順でみられていきます。
広告オークションについての詳細はこちらの記事にわかりやすくまとめられていますので是非お読みください。
広告表示の際には検索クエリとの関連性が重要になりますので、広告カスタマイザを使って、より関連性を高める広告文も効果的です。また、アカウント構造を簡略化することも可能になります。
広告カスタマイザーの仕様や設定方法についてはこちらの記事をお読みください。
アカウントの特徴にマッチした有効なオプションを選択しましょう。広告ランクの加点要素でもあるので、可能な限り設定しておきましょう。
メンテナンスのされていないアカウントですと未だにタイトル、説明文が1つずつであったり、文字数が少なかったりというものが現役で動いてたりということもあります。
その状態のまま運用を行うのはとても非効率的ですよね。
忙しすぎてそこまで手が回らず、放置気味になることもあると思います。ですが、アカウント構造を定期的に見直し、改善することで成果の向上はもちろん、日々の運用負荷の低減という意味でも効果的ではないでしょうか?
「hagakure」はアカウント構造のお話ですが、その先の「Gorin」「Mugen」の機械学習を用いた自動入札をより効果的に動かすための土台になるものなので、正しく理解し、整理しましょう。何事にも基本が大事です。
優秀で非常に便利な機能ではありますが、楽だからとか、任せとけば良いんでしょ?くらいの感覚で自動化してしまうのは危険です。
自動化はあくまでも運用者の補助として捉え、経過を確認することはもちろん、その動きが自分の意図に沿っているかも確認しましょう。
最近話題の自動運転と同じです。人が運転するより格段に事故件数は減少すると言われていますが、いつ不具合が起きるかはわかりませんし、現在実用化されているレベルのものでは、あくまで運転支援です。ちゃんと目的地に向かって進んでいるか、変な道を走っていないか?などなどはレベル5が実用化されたとしても気にする部分になるでしょう。自動入札を使う際も、あくまでも運用支援という気持ちで使いましょう。
1.キャンペーン、広告グループ、キーワード、広告文は必要以上に細かくわけずにスッキリさせます。
広告表示オプションなどの設定は有効なものがあれば、可能な限り使いましょう。
2.キーワード、広告文は適時精査を行い、追加、停止を行っていきましょう。
入札や配信設定など自動化できるところは自動化します。
1が出来ていることが大前提です。ロジックを正しく理解した上で設定しましょう。そしてその後の動きにも要注意です!!
3.広告の構成はオークションのロジックを正しく理解して作ることが効果的です。
そしてこのロジックは常に変化していくものという認識を持ち、その変化に対応したアカウントを作っていきましょう。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。