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スマート自動入札の仕組み~Google広告ヘルプを読み解く~

皆さんはじめまして。NF-Xの佐藤道和と申します。

 

NF-Xでは主にメンバーの教育を担当しております。

普段はグループ会社(株式会社ネットフロンティア)におりますが、これからも出張で佐賀には行きますのでよろしくお願いします!

 

早速ですが、本日取り上げるのはGoogle広告のスマート自動入札についてです。

 

非常に重要な機能であるのに、Google広告ヘルプの説明では内容が簡素だと感じるため、以下私の考えも交え解説していきたいと思います。

 

スマート自動入札とは?

Google広告のヘルプにはスマート自動入札について次のように書かれています。

スマート自動入札は自動入札戦略の一部で、機械学習を使用して個々のオークションのコンバージョン数やコンバージョン値の最適化を行います。この機能は、「オークションごとの自動入札機能」と呼ばれます。スマート自動入札戦略には、目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、拡張クリック単価(eCPC)の種類があります。

参考:スマート自動入札について

 

つまり、「広告オークションごとに」「コンバージョン数や値を最適化する」「Google広告のAI機能」と言い換えることができるでしょう。

 

私はGoogle広告のスマート自動入札の大きな特徴として下記3点があると考えています。

 

1、オークションごとの入札単価調整

2、検索語句単位での学習機能

3、様々なシグナルに基づく高度な分析

 

以下、順を追って解説していきます。

 

特徴その1、 オークションごとの入札単価調整

オークションごとというのはすなわち「リアルタイムに入札を自動で最適化してくれる」ということです。

 

この何がすごいのか?

 

2000年代中盤~後半にかけてサードパーティ各社がいわゆる「自動入札ツール」と呼ばれるものを次々と発表してきました。これらのツールは、広告配信の実績から推定/逆算して入札を調整する機能を有し、広告プラットフォームが何であれ、データに基づいた入札の変更が可能でした。

しかし、これらはあくまで1日に数回程度の入札調整頻度にとどまっていました。

 

オークションごとに判断できる様々なシグナル(後述)を基に「リアルタイム」に入札を調整するスマート自動入札に及ぶべくもないことは明白です。

 

特徴その2、 検索語句単位での学習機能

サードパーティツールでは、アカウント内にあるキーワードの実績をもとに上限入札単価を変化させますが、キーワードはあくまでターゲティングの1つであり実際に検索された検索語句(検索クエリ)ではありません。

 

スマート自動入札では過去にコンバージョンが発生した検索語句などから掲載結果を予測して入札調整します。

 

さらに、アカウント全体の過去の検索語句までも学習機能に取り込んでいるため、アカウント構造に依存しない入札調整が可能となっています。

 

特徴その3、 様々なシグナルに基づく高度な分析

オークションごとの自動入札機能では、入札単価の最適化の際にさまざまなシグナルが考慮されます。

 

シグナルとは、個々のユーザーやオークション時のコンテキストを特定できる属性のことで、端末や地域など、手動の入札単価調整に利用できる属性のほか、スマート自動入札固有のシグナルとその組み合わせが該当します。

 

人の手でこれら全てを加味した上でリアルタイムに入札を行うことは不可能と言えるでしょう。

 

自動入札で使用されるシグナル

デバイス

所在地

地域に関する意図

曜日と時間帯

リマーケティング リスト

広告の特性

表示言語

ブラウザ

OS

ユーザー属性(検索とディスプレイ)

実際の検索語句(検索キャンペーンとショッピング キャンペーン)

検索ネットワーク パートナー(検索キャンペーンのみ)

ウェブサイトのプレースメント(ディスプレイ キャンペーンのみ)

サイトでの行動(ディスプレイ キャンペーンのみ)

商品属性(ショッピング キャンペーンのみ)

モバイルアプリの評価(今後対応予定)

価格競争力(ショッピング キャンペーンでは今後対応予定)

季節性(ショッピング キャンペーンでは今後対応予定)

引用:スマート自動入札について

 

 

スマート自動入札の種類

Google広告が提供するスマート自動入札ですが、その目的に応じて下記の4つの入札戦略を選択できます。

 

目標コンバージョン単価

指定した単価でコンバージョンを最大限に獲得できるように自動的に入札単価を調整。

最大限の成果を得るには、過去30日間に30回以上のコンバージョン獲得が推奨されている。

 

目標広告費用対効果

指定した目標広告費用対効果でコンバージョン値を最大化できるように自動的に入札単価を調整。

最大限の成果を得るには、過去30日間に50回以上のコンバージョン獲得が推奨されている。

 

コンバージョン数の最大化

設定されたキャンペーン予算内でコンバージョン数を最大化するように自動的に入札単価を調整。なお、この機能はキャンペーンの共有予算設定をしている場合は使用できませんのでご注意ください。

 

拡張クリック単価

コンバージョンを最大化できるように自動的に入札単価を調整。

スマート自動入札の1つではありますが、全自動ではなく手動による上限入札単価をベースに入札調整が行われるため、ある程度クリック単価のコントロールが可能な入札戦略です。

 

コンバージョン値の最大化

設定されたキャンペーン予算内でコンバージョン値を最大化するように自動的に入札単価を調整。

※本機能は、今後利用可能となる予定です。

 

なお、スマート自動入札を使用するには、コンバージョン トラッキングを有効にする必要があります(ディスプレイ キャンペーンで拡張クリック単価を使う場合を除く)。

 

スマート自動入札の弱点

以上のように、コンバージョンを自動で最適化してくれるスマート自動入札機能は、我々広告運用担当者の大きな助けとなることは間違いありません。

しかし、一見便利に見えるスマート自動入札にも弱点はあります。

具体的には下記のようなケースがあります。

 

1、コンバージョン数が少ない/掲載開始したばかりのアカウントへの適用

スマート自動入札は、過去のコンバージョンデータを元に入札調整しています。

そのためコンバージョンが月数件程度しか発生しない場合や、新規で掲載開始したばかりのアカウントでは本来の効果は期待できません。

それどころか、参照するコンバージョンのサンプルデータが少ないゆえに、的外れな自動調整がなされて逆効果になってしまうこともあります。

 

また、スマート自動入札の精度を高めるには学習期間が必要となります。先に申し上げたように目標コンバージョン単価の場合コンバージョンが過去30日に30回以上、目標広告費用対効果の場合は50回以上発生していることが推奨されていますが、コンバージョンは30回より100回、100回より500回発生したほうが学習期間は短くなります。

入札戦略:目標コンバージョン単価の場合に必要な学習期間

図1:入札戦略:目標コンバージョン単価の場合に必要な学習期間

出典:search_automated_bidding_guideより抜粋

 

したがって、コンバージョンが少ないアカウントでは、ある程度コンバージョンのデータがたまるまで手動入札で調整(または入札戦略を拡張クリック単価に設定)したりマイクロコンバージョンを活用し中間コンバージョンを含めた自動入札最適化を検討したほうがいいでしょう。

 

※マイクロコンバージョンとは、コンバージョンに至るまでのあるポイントを中間コンバージョンと定義したもの。

 

例えば、ECサイトの場合

コンバージョン:「購入」

マイクロコンバージョン:「カート到達」

のように設定します。

 

マイクロコンバージョンを設定することで、スマート自動入札が適切に働くためのコンバージョン母数を短期間で確保することが可能になります。

 

なお、アカウント内の「最適化案」を確認することで、自分のアカウントが自動入札を導入する準備ができているか確認することができます。

Google広告の「最適化案」

図2:Google広告の「最適化案」

 

2、突発的な環境変化が起こったアカウントへの適用

入札戦略のアルゴリズムは過去のデータを元にしています。

そのため「昨日テレビ番組で紹介されて爆発的に指名キーワードのクリック数が増えた」などの急激な環境の変化に対応することは難しいです。

そのような場合は、いったんスマート自動入札はOFFにし手動入札で調整または入札戦略を拡張クリック単価に切り替えたほうが良いでしょう。

 

自動化が進む広告運用の未来

「今後、自動化が高度に進化したら将来的には広告運用担当者はいらなくなるのでは?」と考えている人もいるかもしれません。確かに今後自動入札機能をはじめとする自動化の精度が格段に向上することで、入札調整などの作業が占める割合は減少していくかと思います。

 

しかし、いくら自動化が進んだとしても、最終的な意思決定を行うのは我々人間です。

ユーザー心理や購買意欲まで加味した入札戦略や、ペルソナの作成、カスターマージャーニーに合わせた戦略的なアプローチなど機械学習では全てカバーすることはまだまだ難しいと考えられます。

 

KPIを達成するために、機械学習とどう付き合っていくのか?

今後ますます、機械学習とうまく付き合いつつ我々人間にしかできない仮設

設計能力が我々広告運用担当者に求められる時代となっていくことでしょう。

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