こんにちは。皆さんは「除外キーワード」が広告のパフォーマンスに及ぼす影響について、深く考えたことがありますでしょうか。
今回は、「除外キーワードとは」というところから、除外キーワードの選定方法や注意点まで解説します。
是非、最後までご覧ください。
目次
除外キーワードは、Google広告・Yahoo広告で使われ、広告が表示されないように設定されるキーワードのことを指します。
除外キーワードを設定することで、ターゲットを絞り込み、よりパフォーマンスを改善できる可能性もあります。
除外キーワードは、キーワードとマッチタイプを指定して登録します。
また、この後に説明しますが、「絞り込み部分一致が使えない」「キーワードの拡張がされない」という特徴があります。
除外キーワードには、通常のキーワードのようにマッチタイプを指定して登録を行う必要があります。
しかし、除外キーワードには、「絞り込み部分一致」を使うことができません。
▼使用できるマッチタイプ一覧
マッチタイプ | キーワード追加 | 除外キーワード登録 |
完全一致 | 〇 | 〇 |
フレーズ一致 | 〇 | 〇 |
絞り込み部分一致 | 〇(※) | ✕ |
部分一致 | 〇 | 〇 |
(※)Googleでは、2021年夏ごろを目途に、絞り込み部分一致が廃止され追加できなくなる見込みです。
キーワード追加の際、絞り込み部分一致で設定する場合は「+ジーンズ」の部分一致と設定すると思いますが、除外キーワード登録で同様に入れても「+」部分が無視されて判定されます。
つまり、「+」を入れて登録したとしても、ただの部分一致として扱われるということです。
除外キーワードでは、通常のキーワード追加で使っているマッチタイプと名称は同じですが、キーワードの拡張がされません。
マッチタイプを部分一致、キーワードを「ズボン」で追加すると、表記揺れの「スボン」や、関連性の高そうな「ジーパン」「ジーンズ」など、キーワードを拡張して広告が配信されることがあります。
しかし、除外キーワードでズボンの部分一致で登録したとしても、除外されるキーワードは「ズボン」のみで、表記揺れや誤字、そして「ジーパン」や「ジーンズ」などは引き続き広告が配信されてしまうので、注意が必要です。
引用:https://support.google.com/google-ads/answer/2453972?hl=ja
除外キーワードのマッチタイプの機能は、通常のキーワードのマッチタイプとは異なります。主な違いは、類義語、単語の単数形や複数形、表記のゆれや誤字などの関連パターンも除外の対象に追加する必要があることです。
除外キーワードを設定する際、基本的には3つのパターンが考えられます。
①サービスと関連性の薄いクエリ
例えば、あなたがアパレルショップの広告を出稿していた場合、「ジーパン」や「スカート」のフレーズ一致で広告を配信していたとしましょう。
すると、「ジーパン おすすめ」や「スカート チェック柄」などの検索キーワードで広告が表示される可能性があります。
このようなキーワードであれば、それぞれジーパンやスカートを探している人なので、特に除外キーワードとして設定しないことが多いです。
しかし、以下のようなキーワードでも同様に広告が表示される可能性があります。
・ジーパン ポケモン
・スカート 新垣結衣 ドラマ
ポケモンのジーパンなんて店舗では扱ってないし、ドラマでがっきーが履いていたスカートなんてあるわけもないので、関連性が薄いクエリと判断し、除外します。
関連性はあるが、なかなかコンバージョンが発生しないクエリというものも存在するでしょう。
一般的に、ビッグワード(検索数が多いキーワード)ほど、ユーザーの意図が潜在化しており、コンバージョンが得られにくい傾向があります。
「ズボン ランキング」と検索するユーザーよりも、「ズボン 冬物 メンズ 裏起毛」などより具体的なキーワードで検索されたほうが、検索ボリュームこそ少ないものの、商品が欲しいんじゃないかと思いませんか?
そのため、「ランキング」は除外しようかな、というような判断をすることもあるでしょう。
こういった場合は、すぐに除外するのではなく、一度施策を行った上でもCPAが割に合わない!と思ってから除外して良いかと思います。
例えば、「ズボン ランキング 裏起毛」でキーワード追加して、「ズボン ランキング」は一旦停止してみようとか、手動入札であれば入札を弱めてコントロールしようとか、広告の訴求軸を変えてみようなど、様々な施策がありますよね。
「成果が良くないから、とりあえず停止してユーザー絞る!」というのは、機械学習が進む現在の段階では良くない方法だと考えられるので、まずは効果検証してから判断しましょう。
稀にお互いのためにも、競合他社、もしくはその代理店からブランドキーワードを除外してほしいと言われることがあります。
例えば、「企業名 ズボン」などで自社の広告が配信されていたとしましょう。
すると、その企業の広告と私たちの広告が競合し、上位を争うことがあります。
その場合、対象企業様以外の広告はCVRが高くなりがちですし、企業様はブランドの親和性を高めるための広告費が膨らみがちです。
上記はあくまで一例ですが、このような場合に広告主様に企業名で除外キーワードの設定をしてほしい、と連絡することもあります。
もちろん、こちら側に不利益しかない場合は断ることもありますが、悪質なお願いではないモノや互いにメリットがある場合は、基本的に除外キーワード設定を承諾しましょう。
除外キーワードを設定する方法は、除外キーワードリストを使う方法もあります。
どちらで設定しても、最終的な結果は同じですが、除外キーワードリストを使うことでより見やすくなります。
除外キーワード登録と除外キーワードリストの違いは、以下の3つです。
除外リストは、一度設定してしまえば、実質アカウント単位で除外が可能
通常の除外キーワード登録では、1つのキーワードごとにキャンペーン・もしくは広告グループを指定する必要があります。
しかし、除外キーワードリストであれば予め紐づけをするキャンペーンを設定するため、すべてのキャンペーンを1つのリストに紐づければ、アカウント単位などで除外する際に簡単に除外設定することができます。
なので、アカウント単位で除外する場合や、複数のキャンペーンでまとめて除外したい場合に除外キーワードリストを活用したほうがいいでしょう。
Yahooの除外リストにキーワードを登録するとき、1度に100キーワードまでしか登録することができません。
もし、100以上のキーワードを登録する必要がある場合は手間ですが、複数回に分けて登録するようにしましょう。
除外キーワードリストは、アカウント単位で登録できることがメリットですが、キャンペーンを増やした際に、自動でリストに紐づけられるわけではありません。
キャンペーンを追加した際は、除外キーワードリストのほうにも追加することを忘れないようにする必要があります。
除外キーワードには、今まで説明してきたこと以外にもいくつか注意点がありますので、そちらについて説明します。
漢字一文字や短い単語だけで除外してしまうと、予期せぬものまで除外してしまう可能性があります。
例えば、デスクトップパソコンを販売している会社で「パソコン デスク」など、机を探している人だから「デスク」を部分一致で除外してしまうと、「デスクトップパソコン」で広告が表示されなくなってしまいます。
特に短い単語や1文字や2文字だと、サービスや商品そのもので広告が表示されなくなる可能性もあるので、キーワードを除外することでどこまで影響を及ぼすのか考えてから除外するようにしましょう。
除外キーワードを登録する際、「, ! @ % ^ () = {} ; ~ ` <> ? \ |.」などの記号は、登録することができません。
また、機種依存文字も同様に登録はできないようになっています。
除外キーワードに、サイト演算子(site:www.nf-x.com)や検索演算子(orやandなど)はなかったものとして、判定されます。
例えば、サイト演算子を含むキーワード「site:www.nf-x.com 広告代理店」を除外登録しても、広告代理店というキーワードを除外しているのと同じです。
サイト演算子や検索演算子を除外キーワードに入れる人はほぼいないと思いますが、一応注意しておきましょう。
Google公式のヘルプによると、「17語以上から成るフレーズを検索しているユーザーが、17 番目以降の語に除外キーワードと同じ語句を使用した場合も、広告が表示される可能性がある」との記載があります。(Yahooは11語)
17 語以上から成るフレーズを検索しているユーザーが、17 番目以降の語に除外キーワードと同じ語句を使用した場合も、広告が表示される可能性があります。
https://support.google.com/google-ads/answer/2453972?hl=ja]
対象外キーワードは1行につき10語まで入力できます。11語以上入力されているとエラーになります。追加する対象外キーワードが1行に10語以内になっているか確認してください。
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/ss/articledetail?lan=ja&aid=977
基本的に10語句以内で簡潔することがほとんどなので、滅多にない現象ですが、除外キーワード登録しているのに、なぜか表示されている場合はこのケースも原因の1つと考えられることを把握しておいたほうがいいかもしれません。
キーワードの判断に悩むクエリの1つとして、「~とは」などの調べもの系クエリや、「〇〇 解約」などのネガティブワードが入ったものです。
結論を言ってしまうと、除外すべきではありません。とはいえ、除外すべきパターンもあります。
サービス・商材次第というのが本音ではありますが、ポイントとして「コンバージョンに繋がりそうかどうか」で判断をすればいいと思います。
「~とは」というクエリは、コンバージョンのアトリビューションがラストクリックの場合は、かなりコンバージョンはつきにくいです。
しかし、データドリブンや減衰、接点ベースなどのアトリビューションモデルの場合は意外とコンバージョンに貢献していることもありますので、一概に除外すべきではありません。
例えば新しい料金プランについて広告を配信したい場合、「スマホ 解約」というクエリがあったとします。
この場合、自社のスマホを解約するか他社のスマホを解約するかはわからないので、こういった場合は除外しません。
一方で、「自社名 解約」などのクエリの場合は「自社名 解約」のキーワードで除外してしまってもいいと思います。「解約」だけで除外するのは個人的にNGです。
しかし、自社名の解約であっても、ブランド親和性のために表示させるという人もいるので、最終的に除外すべきかどうかはKPIや予算、商材やサービスなど様々な指標から判断し、決定するようにしましょう。
こちらも使う機会は滅多にありませんが、ディスプレイネットワークでも、除外キーワードを設定することができます。
ただし、Googleヘルプによると、以下のような記載があります。
引用:https://support.google.com/google-ads/answer/2453972?hl=ja
ディスプレイ ネットワークでは、除外キーワードの精度が検索ネットワークの場合ほど高くなく、除外キーワードに該当する語句を使用しているページでも広告が表示されることがあります。
そのため、表示されたくない面などがある場合はプレースメントを適宜チェックし、除外したほうが無難でしょう。
また、ディスプレイキャンペーンでは、「サイトカテゴリオプションとコンテンツの除外」を設定しておくことで、予め関連のないサイトに広告掲載されないよう設定が可能です。
案件によっては、検索クエリが何千、何万となっているクエリもあると思います。
そういった場合、インプレッション(表示回数)2回以上、クリック1回以上でフィルターをかけて精査することをおすすめします。
インプレッションが1回以下のクエリや、クリックされていないクエリは関連性が低い、もしくは今後ほとんど検索されないクエリが多く、仮に除外対象となってもアカウントへの影響が少ないためです。
もちろん、インプレッションが1回のものでも除外するキーワードによっては影響は大きいですが、基本的にはアクセスが多いキーワード、検索が多いキーワードから優先してチェックするほうがいいでしょう。
今回は、成果改善に繋がる除外キーワードの選び方と注意点にして説明しました。
関係がなさそうだからと思って、安易に除外するのではなく、予算やKPI、関連性やCPAなど様々な情報を考慮し、吟味してから除外するかどうか判断するようにしましょう。
少ない予算であれば、1つの差が大きな差になることもあります。
広告運用者として、クライアント様のKPI達成に向けて、小さなことでも1つ1つ積み重ねていきましょう。